住宅営業マンの悩みのひとつに、顧客に提案が刺さらず売り上げにつながらないというものがあります。顧客に刺さる、響くセールストークとはどのようなものか、そのポイントをまとめています。
自社の商品やサービスには自信があるのに、それが顧客に伝わらず成約に結びつかないと悩んでいる住宅営業マンは少なくありません。自慢の商品やサービスなのに、なぜ顧客に刺さらないのか。それは、商品やサービスに魅力が足りないのではなく、セールストークや提案の仕方に問題があるのかもしれません。
住宅営業における商品は当然住宅です。しかし、顧客が購入したいのは、住宅そのものではなく、「その住宅での暮らし」なのです。
住宅営業マンは、その住宅を売るために、性能や工法などの面ばかりをアピールしがちですが、性能や工法をどれだけ説明されても、顧客には響きません。その性能や工法が暮らしにどのように影響するかがイメージできてはじめて、興味を持ってもらえるのです。
そこで住宅営業のセールストークに取り入れたいのが「FABE(フェイブ)」と呼ばれる商品説明法です。FABE法とは、「商品の特徴や価値を分析するフレームワーク」のことであり、このFABEを取り入れることでシンプルに商品・サービスのコンセプトを整理が可能になるといわれています。
「FABE」は
Feature(特徴)
Advantage(優位性)
Benefit(顧客便益)
Evidence(証拠)
の頭文字を取ったもので、それぞれの要素について分析・整理・利用していく方法です。
特徴は、その商品やサービスの概要や機能・仕様に関する情報のことです。その商品・サービスをアピールしたいあまり、いろいろな説明をしたくなりがちですが、話が長くなるとどこがポイントなのかがわかりにくく、顧客の印象にも残りません。その商品のナンバーワンやオンリーワンの部分を簡潔に説明し、できるだけシンプルにまとめるようにしましょう。
競合に対し、自社の商品・サービスがどのように優れているのかを主張することが優位性となります。特徴の部分で提示した部分をさらに深掘りし、競合他社の製品やサービスとどこが違うのが、どういう面で優れているのかをしっかり伝えましょう。自社商品・サービスの優位性を出すためには、競合や業界の情報を収集し、分析する必要があります。
その商品やサービスを通じて、顧客が得られる価値が顧客便益です。その商品やサービスを利用すると、ユーザーは何が得られるのかが、どのようなメリットが生まれるのかを伝えます。顧客にとって最も重要なのがこの部分であり、客は、その商品・サービスを手に入れることで得られるものに対してお金を払いたいと思うわけです。
証拠とは、前述した特徴、優位性、顧客便益を客観的に示すデータや事例などを指します。国や大学の研究データなどの調査結果や各種データのほか、その商品やサービスの導入事例や利用しているお客様の声なども証拠として活用することができます。
防水テレビを営業する場合の「売れる営業」と「売れない営業」の例を、FABEを踏まえて見てみましょう。
F「この防水テレビの一番の特長はチャンネル数の多さ。ドラマや映画はもちろん、野球中継も見ることができるんです」
A「例えば、野球中継を見たいと思っても子どもがテレビを見ているとか、一日の家事を終えてリラックスしてドラマや映画を観たいという場合に、この防水テレビがピッタリなんです」
B「お風呂でひとり、ゆっくりと誰にも邪魔されることなく好きなテレビが観られる。1日のうちに、そんなリラックスできる、贅沢な時間があったらいいと思いませんか?」
E「では、この防水テレビを実際にご覧いただき、チャンネル数の多さや画質などを体験してみてください」
F「この防水テレビはアンテナが内蔵されているので、アンテナやチューナーを気にせず、気軽に楽しめるワンセグ・フルセグタイプです。防水性はGIS規格『IPX7級・6級対応』で、湯船にモニタを沈めたとしても30分もつんです。フル充電しても1.5時間しか使えないという難点はありますが、はじめての防水テレビとしては大人気商品です」
自分が顧客だとした場合、商品に興味を持つのはどちらのセールストークでしょうか。
最後に、住宅営業で使えるFABEを用いたセールストークについてまとめてみましょう。
長々とした説明をされると顧客も飽きてしまいます。説明は簡潔に、しかし、オンリーワン、ナンバーワンであることを明確に伝えてインパクトを与えることで、顧客に印象付けることができます。
自分たちが普段当たり前のように使っている言葉が、顧客には馴染みのない言葉であるというケースは少なくありません。住宅業界用語等は例えを用いたり、わかりやすく伝えるように意識しましょう。
商品を主語にするのではなく、顧客を主語に置き、その住宅を購入することによって得られるその後の生活を重視した提案を行いましょう。
ニーズは顧客の「希望や目的」を表す言葉に対して、ウォンツは顧客のニーズを達成するための「欲求や手段」を表します。顧客のニーズからウォンツを作り出すことが重要です。
顧客への説明には、利点だけでなくその利点によってどのような付加価値があるかを伝えます。これには、物理的メリットを説明した上で心理的メリットをプラスするのがおすすめです(「結露が少なく掃除が楽」→「掃除が楽になり、空いた時間を自由に使える」など)
証拠を提示する際、データなどの数字だけではなく、専門家の意見やお客様の声、体感などを組み合わせると信頼度がアップします。とくに顧客が実際に体験する体感は説得力があるので、随所に取り入れていきましょう。

引用元:アイ工務店採用サイト
(https://recruit.ai-koumuten.co.jp/)

引用元:アイ工務店採用サイト
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